路面店では当たり前の接客サービスをeコマースで実現。日本酒定期購入サービス「SAKELIFE」の成功の秘密に迫る

日本酒の美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたい!日本酒を好きになってもらいたい!

そんな想いの元、立ち上がったサービス。それが日本酒のサブスクリプション(定期購入)サービス「SAKELIFE」です。

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日本酒を好きになってもらう為には定期購入型のサービスが最適だと考えたSAKELIFEの代表、高橋さん。しかし、既成のリピート型定期購入モデルだと、実現したいサービスが提供出来ず悩んでいたそう。そんな時に出会ったのが「サブスクリプションコマース」でした。

 

日本酒は一万銘柄近くあるので、初心者は何を買って良いのかわかりません。定期購入の新しい型であるサブスクリプションコマースなら、お客様それぞれのニーズや要望にあわせて、毎月異なった日本酒をお届けする事が出来ます。これなら、行ける!高橋さんはそう確信したそう。そのため、SAKELIFEはコンシェルジュとして、日本酒初心者から日本酒好きの方まで、さまざまなお客様の趣味趣向にあった日本酒を選んでお届けするというサービスを選んだのです。

さらに、お酒を楽しく飲むためには、酒器やおつまみも必要です。こういったお酒に関連するアイテムを日本酒と同時にお客様にお届けする事で「結果としてお客様が日本酒を今よりも好きになって欲しい」、という想いでサービスを展開しているそうです。こういったさまざまな取り組みが、成功へと導いていると言っても過言ではありません。

そこで本日は、高橋さんにサービスローンチの背景と、定期購入の新しい形であるサブスクリプションコマースの魅力について、たっぷり語っていただきました!

 

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価格じゃない、やっぱり人が大事!はじめてのeコマース立ち上げ

東日本大震災の直後に家業を継ぎました。大きな地震が来て商品は割れてしまいめちゃくちゃに。津波も小規模ながら到達し売上も激減。家業を継いだはいいが、これからどうしよう。と、途方にくれていました。

日中は酒屋の店主をして夜はアルバイト。空いた時間で必死にeコマースで売る事を考えました。当時から、楽天やAmazonでの販売はまったく考えませんでした。なぜなら、お酒は原価が8割もします。楽天やAmazonでは価格競争の上、手数料も取られます。

さらに、幼少期の記憶も影響しました。お客様は、「今日はお刺身だからそれに合うのが欲しい」「先月のモノよりも辛口を」、そんな要望を持ってお酒を買いにお店に来てくれています。すると、それにあわせて先代、先先代が「今日はこれが良いですよ!」と、オススメしていました。そんなやり取りを見ているうちに、お客様は「お酒を買うだけじゃなく、人に会いに来ているんだ」そんなふうに感じるようになっていたんです。この路面店での印象が強烈だったので、「どの銘柄でどこが安いのか?」「とにかく商品をたくさん並べて価格勝負」といった販売は、当初からダメだなと思っていました。

そんな時に、友人から定期購入をしよう、と誘われたんです。

定期型の販売モデルなら一方通行ではなく、路面店のお店で当たり前にやっている事をインターネットでサービスとして提供できる、と直感が働きました。これなら、付加価値を付けてお酒を販売する事が出来ると思い、とても嬉しかったですね。

 

日本酒でサービスをローンチ出来ない!?多くの反対の中、成功できると確信が持てた理由は?

小さい頃から両親に、お酒、特に日本酒へのこだわりや美味しさを聞かされ育ってきました。大学に入り、外でお酒を飲む機会が増え始めるとあることに気づいたんです。僕にとっては美味しい日本酒ですが、同年代の多くの人にとっては、触れることすらないものなんだ…ということに。

「日本酒は辛くてまずい」

友人とのお酒の席で日本酒が呑まれているのを見ることはほとんどなくて、日本酒は美味しいモノだと思っていた僕にはショックな出来事でした。

さらに追い打ちをかけたのは、同業者の声。サービスのローンチを相談すると、ことごとく反対される事に・・・・。その理由は「絶対に失敗する」「20代や30代の人はそもそも日本酒を飲んでいない」「日本酒離れの時代に?」など、といった厳しい言葉でした。

確かに、そもそも日本酒を飲んでいないのだから、いきなり飲んで貰えるわけがないですよね。そこで僕が取り組んだのは、まずは美味しい日本酒に触れてもらう事。イベントを開催して累計1,000人以上の人に僕がオススメする美味しい日本酒を飲んでもらったんです。

すると…

「日本酒はこんなにおいしかったの?」

この声は、本当に嬉しかったですね。そして、このイベントを開催することで、「あ、これは単純に、みんな美味しい日本酒を知らないだけなんだ」と、わかり、日本酒でサービスのローンチが出来ると確信が持てました。

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資金以上の収穫あり!クラウドファンディングを使い資金集め

2012年にCAMPFIRE(キャンプファイヤー)というクラウドファンディングのサービスサイトに掲載しました。不思議なことに、高いサービスから売れていき、すぐに目標金額に到達。100人以上の方に参加して頂いたのですが、お酒というモノで還元したので、投資というよりは先買いのイメージで参加頂きました。一番良かった事は、テストマーケティングが出来た事と広告も兼ねることができた事。そして、参加して頂いた方がFacebookやTwitterにどんどん投稿してくれて、勝手にサービスの認知度があがった事です。

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成功の要因は「自分の当たり前をサービスに組み込んだ事」

実は、インターネット上でのお酒の販売は「頒布会」のようなモデルが多いんです。年間コースで最終回に焼酎だと魔王、日本酒だと十四代、と決まっているようなモデル。そうじゃなくて、お届けする商品を決めないで、お客様と話しながら商品を決めていきたい、自分が蔵元で飲んでみて感動したお酒を飲んで貰いたい。つねづねそう考えていました。

ただし、蔵元から入手できる数には制限があるので、全てのお客様に同じ商品を届ける事が出来ないのも事実。そこで、この人にはこれ、あの人にはこれ、という具合に、お届けする商品を毎回考えています。特に、日本酒は一万銘柄もあるので、何を買って良いの?という日本酒初心者にも、僕のお勧めの商品をお届けできるのが良い点ですね。

そして、いまでも大切にしているのは、お客様と直接ふれあうことが出来る「試飲イベント」です。実際にお客様とお話をする事で、自分のサービスに自信が持てます。当たり前かも知れませんが、イベントでお会いしたお客様は滅多なことではサービスを解約しないんですよ。離脱率がとても少ないのが特徴です。イベントだけだと東京でしかお会いできないので、酒蔵体験ツアーもやっています。酒蔵に来て貰い、お酒を造ったり、酒米を作ったりしています。目標は全国30箇所のSAKELIFEの基地ですね。

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僕の両親は「頒布会」という言葉が、いまではもう死語になりつつあるのを知りません。昔あったモノを現代風にアレンジする事で新しい事が出来ると思っています。

両親がびっくりしたのは、SAKELIFEが記事になった事。「顔が見える商売」と書いて貰いましたが、両親からすれば「顔が見えるのは当たり前じゃないのか?」と、びっくりしていましたね。

 

背伸びをする値付けが、自らのやる気を起こす要因に!

リアル店舗とインターネットの両方を運営するのはもちろん大変です。SAKELIFEで提供しているサービスとして、月額料金3,000円は確かに高いかもしれない。でも、サービスをローンチして5年たち、振り返った時に、この価格にして本当に良かったと思います。なぜなら、「月額料金以上の付加価値を絶対にサービスとして提供する」という強い想いがあるからです。お客様がサービスを解約するというのは、僕のサービスに3,000円のお金を払う魅力が無いという事。だからこそ、頑張ろうと思えるんですよ。

実際、この価格帯にした事で、利益率も向上しました。結果として、その利益をサービスに還元しようという考えになり、サービスの改善に繋がりました。きっと、ぎりぎりの価格設計にしていたら、サービスを良くする余裕もなくて、こんなにサービスを拡大する事は出来なかったでしょうね。

お酒は水商売でもあります。飲食店が不景気になると、おもいっきり影響を受けてしまいます。そのような環境の中、お店にお客様が足を運んでくれるのは奇跡的な事ですよ。せっかく訪れてくれた大切なお客様だからこそ、より広くではなく、より深くお付き合いする事が大切だと、日頃から自分に言い聞かせています。

 

様々な課題が噴出。痛い経験をするも、ピンチをチャンスに!

お酒の原価は8割。つまり2割しか儲けがありません。100万円売れても20万円しか儲けがありません。サービスのローンチ時には3人のメンバーでしたが、残念ながらこのサービスだけでは食べていくことは出来ませんでした。

しかも最初からうまくいった訳ではなくいろいろ失敗もしていて、広告での失敗も経験しました。たとえば、リスティング広告。定期購入は、初回のクローズが大変で単純に広告を出すだけではまったく費用対効果があいません。お酒は原価が高いので、クリックで広告負けをしてしまいました。特に失敗したのは、サービス1年目に挑戦したアフィリエイトです。100万単位でお金が溶けていくというのはこういう事なんだな・・・・と。このときは、雑誌や新聞に取り上げて貰っていたので、「広告をだせばもっと売上があがる」と、自信過剰になってしまっていたんでしょうね。

商品仕入、という酒屋のビジネスモデルでも課題が出ました。おわかりかと思いますが、キャッシュです。仕入から販売までのサイクルは短くても、クレジットカードを使った売上計上だった為、実際の入金までの期間が長く、サービスローンチ時には運転資金で苦労しました。凄い勢いでお客様が増えているのに、仕入しないといけないので、常にキャッシュがなく、お客様が増える事が逆に経営を圧迫するような事態で本当に苦しかったです。

そもそも引き継いだ会社の経営状況も悪く、全てが大変だった訳ですが、会社の経営が良い状態で引き継いだら、そもそもインターネットでの販売はしていなかったと思います。ピンチをチャンスに変え、ゼロイチをやりきった事が、サービスを立ち上げる事が出来た一番のポイントではないでしょうか。

 

離脱率5%!根底にあるのは徹底的なサービス設計!

日本酒を知らない人にどういう順番でお酒をお届けすれば、日本酒を好きになってくれるかを徹底的に考えました。そこで、学校の教育スケジュールのように、小学校・中学校と段階的にお酒を変えていくようにしたんです。

さらに、日本酒には「旬」というものがあるので、登録月により最初に送る日本酒が変わります。通常のリピート型定期通販だと、いつサービスに加入しても初回の商品は同じですよね?ここがサブスクリプションの成功ポイントです。送り続けるうちに、どういう順番で送ると離脱が増えるかもわかるようになってきて、こういう送り方をすれば、継続率が良いという必勝パターンも見えてきました。

僕は日々、全国の蔵元を回り新しいお酒に出会っているので、お客様に最高のお酒を届けたいと思っています。現時点でのお客様への送付パターンは95パターンあります。こういうと、「大変だね」と、言われがちなんですが、路面店だと800人いたら800通りくらいのパターンがあります。むしろ95パターンしか無い事は優秀で、素晴らしい事なんです。

こういった取り組みを進める事で、サブスクリプションコマースでの離脱率は5%を切りました。これは僕のサービスを認知してくれた結果なので、成功だと思うし、とても嬉しく思います。現在は離脱数よりも純増数が増え、事業自体も安定しています。

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スクラッチ型から、クラウド型のたまごリピートにリプレイス

SAKELIFEを支える定期通販のシステムは、スクラッチ式(個別オーダー開発)のシステムでした。スクラッチにはスクラッチの良さがありましたが、やっぱり機能追加は大変だし、そもそも欲しい機能が圧倒的に足りない。そこで、リピート型のシステムを探してみました。成功するためには、こういったシステム選びも重要です。

僕の導入のポイントは「数百人もいるお客様と継続的につきあう事が出来るシステムである事」また「定期購入型のサブスクリプションコマースに対応している事」でした。

たまごリピートは、この点をクリアしていたし、リピート型の定期購入に特化していて機能も他社に比べ圧倒的でした。実際に使ってみると、バージョンアップも多く日々進化している。たまごリピートがないと、数百人のお客様へのメールの返信だけで、忙殺されていただろうし、お客様とのコミュニケーション履歴を見るだけで「あ、このお客さんには、次回このお酒を送ろう」など、一発でわかるようにはならなかったと思います。実際、価格も良心的で、これだけの機能が揃っているのはとてもお得だと感じました。

まだまだ、使いこなせていない部分もあり、今後はもっとシステムを活用していきたいと思います。

 

サブスクリプションコマースで成功する為のポイントは?

僕がサブスクリプションコマースを行う上で大切にしているのは、路面店のサービスをどう実現するかです。商品よりも人・サービスなんです。

楽天やAmazonで何でも安く買える時代。路面店の良さ、人にスポットをあてる事で、他社には無いサービスを提供できて、それが他店との差別化に繋がると思います。

よく「差別化をどうすべきか?」みたいな話を聞きますが、それは商品で考えてしまうから。商品ではなく「人にフォーカス」すれば良いのにな、と思うんですよ。この世の中に全く同じ人はいないはずで、人は一人一人違います。だからこそ、可能性は広がるはずなんです。

自社のファンの人達にサブスクリプションコマースという手法を使うことで、場所に縛られず、路面店と同じ良さを提供する事が出来ます。路面店の店主にスポットをあてる事が、これからの中小企業にとっては、大きな戦力になるのではないでしょうか。

そして、お客様とのコミュニケーション。インターネットの世界だけで完結するのではなく、オフラインで実際に会ってみるというのもとても大切です。イベントとして続けている蔵巡りのツアーで、目標の30蔵に出来れば、全国各地を回ることができ、SAKELIFEのファンの方に会うことが出来る。実際に会うことで、サービスへの要望を頂いたり褒められたりして、とにかく得ることが多い。僕のイベントは100人規模のイベントではなく、10人とかの小規模なイベントです。人が多いと大切なお客様と話す事ができないので、なるべく少人数のイベントを沢山やるように心がけています。

サブスクリプションコマースは、素晴らしいビジネスモデルだと思います。もっと沢山の人に僕のビジネスモデルを真似て貰いたい。特に○○屋さんという商売はこのビジネスにすぐに参入できると思います。たとえば、八百屋さんや魚屋さん。駄菓子屋さんもサブスクリプションは出来ますよね。

サービスがもっと増えれば、ネットで自分だけの目利き、つまり「マイスター」を選べるようになります。リピート通販の市場は、今後もっとコミュニティ化していくと思います。お客様目線でサービスを考えた時。沢山ある商品の中から、本物の一品に出会える方が絶対に良いはずです。

僕自身、サブスクリプションコマースで成功した!と言えるのはまだこれからだと思います。

それでも、今のサービスは近所に馴染みの酒屋がある人には不要なサービスだけど、 そうじゃない人達も沢山いるはず。そういう人にとっての「最高の酒屋の店主になりたい」。こんな思いでSAKELIFEを運営しています。

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いかがでしたか?SAKELIFEは、日本のサブスクリプションコマースの中でも成功事例の一つと言えるでしょう。

最後に高橋さんに定期購入型モデルであるサブスクリプションコマースの素晴らしさについて、皆様に生でお伝えできるように動画を撮影させて頂きました。

ぜひ参考にして、なにか一つでもヒントがあった!と思ってもらえたら嬉しいです。


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青栁陽介@テモナ株式会社

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日本ダイレクトマーケティング学会 正会員/通販エキスパート検定1級保持|eコマースの全体的な構築からCRMの設計まで、通販ビジネス全体を支援。事業者の売上を上げるためのコンサルテーションを日本全国で開催中。